分科会案内
9月15日(土) 15:00~18:00
- 第1分科会 グローバル社会の法律家制度を考える 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 司法制度等研究対策委員会 - 第2分科会 興そう!! 司法書士の『提案力』 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 登記・法務研究委員会 不動産部会 - 第3分科会 今こそ行動を興そう!すべての人が安心できる暮らしを目指して!! 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 人権擁護委員会 - 第4分科会 事例検討会の進め方 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 司法アクセス推進委員会 - 第5分科会 地域社会の絆の再興 詳細へ
担当:自死対策特別研究会 - 第6分科会 相続財産管理業務 詳細へ
担当:兵庫県司法書士会 企画研究部 裁判実務研究会 家事事件研究部会 兵庫県青年司法書士会 - 第7分科会 多様化する本人支援 詳細へ
担当:兵庫県青年司法書士会 - 第8分科会 大震災とまちの復興 詳細へ
担当:兵庫県青年司法書士会
9月16日(日) 9:30~12:30
- 第9分科会 原発事故被害と司法書士 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 原発事故被害対応委員会 - 第10分科会 興そう!家族法改正 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 民法改正対策委員会 - 第11分科会 暴力団排除条例の概略 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 登記・法務研究委員会 商業法人部会 - 第12分科会 オンラインゲームに関する諸問題と実務的対応 詳細へ
担当:全国青年司法書士協議会 消費者問題対策委員会 - 第13分科会 北方領土問題を通じて不動産登記を考える 詳細へ
担当:兵庫県青年司法書士会 - 第14分科会 外国人相談超入門 詳細へ
担当:兵庫県青年司法書士会
第1分科会
グローバル社会の法律家制度を考える
~20XX年、アジア全域で活躍する司法書士像を“興す”!~
担当:全国青年司法書士協議会 司法制度等研究対策委員会
開催趣旨・研修内容
TPP加盟につき、その賛否を巡って大きな議論が巻き起こっています。農業、医療分野がよく取り上げられますが、司法も無関係ではありません。法律サービス市場も開放の対象とされているためです。この点につき当委員会で調査したところ、TPPに加盟した場合、着実な規制緩和(市場開放の前進)が予想されることが分かりました。本稿執筆時点で、政府からはなんらの結論も示されておりませんが、9月までには結論が出る可能性もあり、その動向には注意する必要があります。
ところで、TPPそれ自体は、2~3年の間に結論がでる一過性の問題であると言えます。しかしながら、その根底には「グローバル化(世界普遍化)」という大きな流れが存在しており、過去現在未来を通じ、この社会に大きな変化を促しつつあります。
司法の分野ではどのような影響が考えられるでしょうか。例えば、外国人弁護士の参入、外資系法律事務所の増加、資格の相互承認、といったことが予想されます。これは司法書士制度にとっても、大きな脅威となる可能性があります。
その一方で、このような変化をチャンスと見ることもできます。グローバル化の流れの中で、世界の司法制度を知り、世界の法律家達と交流する。そして、より広い視野、高い視点でもってこの社会を洞察することができる、いわば “グローバル時代の法律家像” を見い出すことはできないでしょうか。
ここでは韓国の司法制度を取り上げます。特に、司法書士に近いとされる韓国法務士について調査し、翻って我が国の司法書士制度を省みる機会としたいと思います。
グローバル化は、私たち司法書士に何をもたらすでしょうか。
危機と機会、その両側面を通じて見えてくるのは、制度の発展かもしれませんし、あるいは原点回帰かもしれません。本分科会を通じて、司法書士の未来を探るとともに、“私がこれからの司法書士像を体現する!”という自尊心溢れる仲間を1人でも多く送り出すことを目指します。
研修形式
講義及びパネルディスカッション
※上記を予定しておりますが、今後の研究成果により一部変更する場合がございます。
予めご了承下さい。
第2分科会
興そう!! 司法書士の『提案力』
~争族対策から遺産承継そして相続登記まで~
担当:全国青年司法書士協議会 登記・法務研究委員会 不動産部会
開催趣旨・研修内容
依頼者の思いに寄り添い、伴走する。
思いの一つ一つを、法律に則して実現する。
これは法律実務家である我々司法書士が行うべき仕事であり、仕事の醍醐味でもありましょう。
相続登記における、相続開始後の依頼者との関わりが重要なのは言うまでもありません。しかし、相続開始前に、争族の事前予防等を念頭に置き依頼者と関わり合うことに、我々司法書士は今までどれほど重きを置いてきたでしょうか。
推定相続人の排除、特別受益、寄与分、限定承認、特別縁故者、特別の方式による遺言、遺留分減殺請求・・・ご存知のとおり、相続の場面で適用される法律は様々です。
我々には依頼者に対し能動的に提案できるだけの十分な素養がありますが、せっかく身につけた知識も使わなければ錆びついてしまいます。
真に依頼者のためになる提案をするには、たゆまぬ研鑽が必要です。
さらに、司法書士だけでは解決できない事態が生じた場合、他士業、他業種との連携も必要となるでしょう。
自身の業界だけにとらわれずに、多角的な視点で周りを見回しながら一人一人の依頼者と真摯に向き合い、寄り添い、伴走するために具体的に何が出来るのでしょうか。
この第2分科会では、相続の場面に焦点をあて、争族対策※1、遺産承継を始めとして、我々司法書士が法律実務家として何を依頼者に提案できるのかを参加者の皆様と一緒に考えたいと思います。
※1争族対策という言葉は一般的に、相続に関する生前の対策(被相続人の死後、残された家族など相続人間での争いを避けるために主に遺言などで行う対策)を指しますが、この分科会では生前の相続対策全般を指す意味で使用します。
※内容は今後の動向により変更することがあります。予めご了承下さい。
第3分科会
今こそ行動を興そう! すべての人が安心できる暮らしを目指して!!
~生活保護110番からみえる社会保障のあるべき姿~
担当:全国青年司法書士協議会 人権擁護委員会
開催趣旨
全国青年司法書士協議会では、毎年、生活保護110番を実施し、2011年で8回目となりました。この相談会では貧困に苦しむ多くの方から相談が寄せられ、人間らしい生活をする上で、生活保護制度が大きな役割を担っていることを再認識しました。
しかしながら、相談の中には、複合的な問題を抱え、生活保護制度の利用だけでは問題解決が困難なケースや、生活保護制度が適切に運用されていないがために、これを利用することで傷つき疲弊し、かえって自立が阻害されているケースもありました。制度のはざまで適切な支援が受けられないケースもありました。
そして、これらのケースに向き合う度に、社会の仕組みの不都合によって生活上の困難を抱え、生きづらくなってしまった人たちのために、どのような支援が必要なのか、考えさせられました。経済的な支援だけではない、相談者をエンパワーする制度のあり方、人との繋がりの必要性を痛感しています。
本分科会では、貧困に苦しむ方々が真に人間らしい生活を得られるようにするために、どのような社会保障制度を目指すべきなのか、求められる連携等、現場での実践を中心に検討します。
本分科会に参加し、皆さんも、依頼者の生活をまもるために今何が出来るのか、考えてみませんか?
研修内容
第1部 貧困なう~過去から学ぶ
過去の生活保護110番のデータから、相談者の抱えている問題や、生活保護制度の運用の問題点等について検討します。
第2部 元内閣府参与、湯浅誠氏による講演
~貧困・社会的排除から、社会的包摂をめざして(仮)~
湯浅誠氏より、現場での支援活動から見えてきた貧困の現状と課題、元内閣府参与として関わったパーソナルサポートサービス等、社会的包摂推進に向けた取り組み、各地での実践事例等について講演いただき、求められる支援について考えます。
第3部 パネルディスカッション~相談者を輪でつなごう
相談者の抱える複合的な問題に対し連携して取り組みを行っている各地の行政機関や支援者、専門家が意見を出し合い、社会保障制度のあるべき姿を検討します。
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第4分科会
事例検討会の進め方
~相談事例から呼び「興す」ADRスキルアップ!~
「現場共有力を高める3ステップ」
担当:全国青年司法書士協議会 司法アクセス推進委員会
開催趣旨
ADR法が施行されて5年が経過しました。各地で法務大臣の認証を得た調停センターが誕生し、よりよい調停実現を目指して試行錯誤を繰り返してきましたが,それに伴い多くの課題が浮き彫りとなってきています。
その一つが、「効果的な『事例検討』の方法」についてではないでしょうか?
調停期日においては、当事者の発する言葉だけでなく、その表情の変化、仕草、口調、また、調停人の性格、癖、スキルなどによって”その場の空気”は繊細に変化し、後に迎える結末に大きな影響を及ぼします。しかし、”その場の空気”を共有できるのは、調停に立ち会った者に限られるため、同席しなかったメンバーは、後のレポートや証言から当時の状況を想像しつつ事例検討を試みることになります。
ところが、これまでの事例検討会では、「ああすれば良かった」「普通はこうするよね」と、結果論・一般論が話の中心となり、挙げ句、担当した調停人を責め続ける後味の悪い検討会、云わば「嫌倒会」と化していませんでしたか?
本来、事例検討会は次に繋げるステップアップの場であるべきです。そこで、今回の分科会では、誰もが経験のある法律相談をもとに、これまでの後味の悪い事例検討会を乗り越えた新たな方法論を提案し、検討します。
本分科会に参加することで、皆さんの内に秘めた潜在能力を呼び「興し」、建設的な意見が飛び交う事例検討会の瞬間を共に体験しましょう!
研修内容
第1部 事例検討会
グループに分かれ、予め募集した「日常の相談業務の中で、顧客とのコミュニケーションが難しかった事例」をテーマとして、進行役を中心に、当該事例に関する「事例検討会」を実施します。結果論、一般論ではなく、「まさにその瞬間,その場であなたはどう考え、どのような行動を取ったのか」を3つのステップを使って深く掘り下げます。
第2部 SECRET
本分科会にご参加いただいたあなただけが体験できるSpecial Programです。ここで体験していただいたことが、事例検討会を考えるキモとなります。
- ※本分科会はあなたと一緒に作り上げる分科会です。そのため,分科会実施にあたり事前にご協力をお願いすることがございますので,その節は何卒宜しくお願い申し上げます。
- ※本分科会は,ADRの分野に限らず、日常の法律相談業務等のスキルアップにも役立つ内容となっています。
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第5分科会
地域社会の絆の再興
~いのちを支える絆の再興、地域社会での司法書士の役割~
担当:自死対策特別研究会
開催趣旨・研修内容
当分科会においては、第1部では、日本における「自殺予防」「遺族支援」分野での第一人者であり、WHOでは日本を代表して自殺問題に取組まれてきた筑波大学医学医療系災害支援学教授の高橋祥友先生をお招きし、先生の専門である人間の行動科学の視点から、何故、自殺がおこるのか?何故、遺族支援が必要なのか?世界から見た日本の自殺対策の問題と課題を中心にご講義を頂きます。
その上で、第2部では各地の司法書士会で、多職種の専門家と共に先駆的な取組みをおこなっている数名の司法書士の先生からご報告を頂き、分科会参加者の皆様と高橋先生を交え、コミュニティの社会資源の一員である司法書士が、自殺総合対策を取組んでいく上で、各地のニーズにあった有効な自殺防止・遺族支援活動を推進するシステムを構築するためのヒントとなるような情報の提供・交換をおこない、同時に、それぞれの考えでざっくばらんに議論を進めていきたいと思います。
なお、以下において、分科会当日まで1冊でも読んで頂くと役立つ参考文献をご紹介しておきます。
1.岩波新書 | 「自殺予防」 著者:高橋祥友 |
---|---|
2.金剛出版 | 「自殺の危険~臨床的評価と危機介入~」 著者:高橋祥友 |
3.新興出版社 | 「自殺で遺された人たちのサポートガイド~苦しみを分かち合う癒しの方法」 監修:高橋祥友 著者:アン・スモーリン ジョン・ガイナン |
4.誠信書房 | 「日本の自殺~孤独と不安の解明」 著者:大原健士郎 |
5.星和書店 | 「自殺の精神分析~臨床的判断の精神力動的定式化」 翻訳:高橋祥友 著者:J.T.マルツバーガー |
※なお、4と5に関しては絶版となっていますので、インターネットで探す必要があります。
《労働問題を業務としている司法書士向けの実務書》
民事法研究会「職場のメンタルヘルス対策の実務と法」
編著:坂本直紀・深津伸子&EAP総研
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第6分科会
相続財産管理業務
~特別縁故者制度の考察~
担当:兵庫県司法書士会 企画研究部 裁判実務研究会 家事事件研究部会 兵庫県青年司法書士会
開催趣旨
司法書士の業務として成年後見が浸透してきた中で、成年後見を通じて財産管理業務を行う機会は増えていると思います。
財産管理業務全般については、司法書士法施行規則第31条に規定されておりますが、成年後見以外の財産管理業務である相続財産管理業務、不在者財産管理業務等に携わる機会は多くないのが現状ではないでしょうか。
兵庫においては、相続財産管理人をはじめとする財産管理業務に携わる司法書士が比較的多いことから、当分科会では、相続財産管理人をはじめとする財産管理業務を司法書士の業務として再認識し積極的に取り組んで頂きたく、相続財産管理人を研究テーマとし、その中でも「特別縁故者制度」について兵庫県司法書士会企画研究部裁判実務研究会家事事件研究部会と共同研究を行いました。
特別縁故者制度創設の経緯をはじめとして、現在に至る変遷や制度の問題点について研究を重ねました。実際に財産管理業務に携わってきた司法書士の苦労や工夫など実務に即した内容を提供し、財産管理業務に携わる際の参考にしていただきたいと考えております。
研修内容
第1部 講演(60分)
テーマ「相続財産管理人の業務について」
講師 神戸家庭裁判所
第2部 特別縁故者の考察(120分)
兵庫県青年司法書士会「財産管理」研究メンバー
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第7分科会
多様化する本人支援
~民事信託の可能性を興す~
担当:兵庫県青年司法書士会
開催趣旨
我が国における社会の高齢化は急激に進み、一人暮らしの要援護高齢者の数が劇的に増加しております。
高齢者を支援する方法のひとつとして成年後見制度を利用する方法が考えられますが、同制度は判断能力が不十分な人のための制度であり、身体障がい者や、浪費者の支援には利用できません。また成年後見等の開始の審判を受けたときも本人の死亡により、成年後見が終了してしまい、死後事務の問題や本人亡き後の家族の生活支援の問題が残ります。このような場合に民事信託を使っての支援が考えられます。
平成18年に信託法が改正され、いろいろな信託類型が可能になりました。しかし、民事信託はオーダーメイド的な性格が強く、信託銀行が受託者となるのは難しいこともあり、普及が進んでいないというのが現状です。
本分科会では民事信託及び成年後見制度と民事信託を併用した本人や残された家族の支援の方法を研究し、その成果を発表する予定です。
本分科会の研究を通して、今後ますます増えるであろう要援護高齢者や残された家族の支援の可能性を興していきましょう。
研修内容
第1部 研究発表
民事信託を使った支援の方法を検討します。
第2部 事例紹介
講師を招いて実際の事例についてお話いただきます。
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第8分科会
大震災とまちの復興
担当:兵庫県青年司法書士会
開催趣旨・研修内容
1995年1月17日 阪神淡路大震災
一瞬にして多くの建物が倒壊し、火が街を焼き、多くの命が失われ、多くの人が傷つき、多くの人が悲しみの底に沈みました。
2011年3月11日 東日本大震災
地震は、多くの建物を倒壊させただけではありませんでした。
津波は建物を飲み込み、人を飲み込みこんでいきました。多くの命が失われ、多くの人が傷つき、多くの人が悲しみの底に沈みました。
復興のために何ができるのでしょうか。
阪神淡路大震災の被災地における市民のまちづくりを支援するために設立された、
「まちづくり支援機構」での活動に関わる司法書士。
阪神淡路大震災、さらには東日本大震災において、相談活動を中心に市民の支援を行う司法書士。
被災した神戸の商店街を、以前のような活気あふれる商店街へと戻すために尽力されている市民の方。
活動は様々ですが、まちの復興のためにという想いは共通しています。
本分科会では、まちの復興とは何かを考えるために、現場で活動している方々の話を伺い、生の声を聴き、「復興」のために何ができるのか、今後起こりうる災害のために何ができるのか、ここ神戸で、今一度考える機会としたいと思います。
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第9分科会
原発事故被害と司法書士
~我々にできること、我々がやるべきこと~
担当:全国青年司法書士協議会 原発事故被害対応委員会
開催趣旨
福島原発の事故発生から1年を過ぎても福島県からの人口流出は止まらず、原子炉からの放射性物質の拡散も止みません。
爆発した原子炉が廃炉に至るまでの道筋も未だ不透明です。
残念ながら、このように原発事故は決して過去の出来事ではありません。被害者は引き続き厳しい現実に晒されています。
そして、まさに今直面している問題から将来的に予想される問題までを見据えたうえで、長期的なスパンでの被害者支援が求められています。
当分科会をきっかけに、司法書士による新しい支援活動を一緒に興していきましょう!
研修内容
第1部 賠償問題の今
原発事故によりやむなく避難・移住した方々は全都道府県に及んでいます。
我々が彼らを支援するにあたっては、常に賠償問題の現状を把握しておくことが求められます。
日本史上類を見ない規模の賠償問題につき、法律専門職として決して無関心ではいられません。
そこで、原発事故の発生直後から賠償問題に対峙してきた最前線の司法書士が、東電賠償の問題点と現場の最新情報をみなさんに提供致します。
第2部 避難生活と今後~三宅島から学ぶこと
避難生活は仮の生活です。避難者は、どこでどのようにして自分の生活を取り戻すべきか、極めてシビアな選択を迫られます。戻るべきか戻らざるべきか。そもそも戻れる可能性はあるのか。選択の場面では、これまでに失ったもの、そしてこれから失うものを厳然と突きつけられることでしょう。
そこで、火山活動の活発化により、かつて長期間の全島避難を余儀なくされた三宅島の事例を参考にして、長期にわたる避難生活において当事者が直面する問題を捉えるともに、さまざまな選択をしてきた島民が何に悩み、何に苦しんだのかを検証し、今後の原発事故の避難者支援の在り方を考えます。
第3部 放射線問題と将来~広島から学ぶこと
原発事故によりもたらされた放射線被害のリスクは、極めて長期にわたって向き合わなければならない問題です。
そこで、戦時中の原爆投下による放射線被害とその救済が、広島では現在でも大きな課題になっていることを再認識するとともに、その支援活動の現状を学ぶことで、今後我々が原発事故被害と向き合ううえで理解しておくべきことを明らかにします。
※なお、原発事故そのものが未だ流動的であることから、当日は内容が発展的に変更される可能性がありますことをあらかじめご了承願います。
第10分科会
興そう! 家族法改正
担当:全国青年司法書士協議会 民法改正対策委員会
開催趣旨・研修内容
<第1部 家族法改正研究報告>
現在民事法の世界では、消費者契約法の制定、成年後見制度の創設、担保法・執行法の改正など重要な立法が次々と進んでいます。
さらに今般、民法債権法改正に向けた立法作業が着々と進んでいることは皆さんご存じのことと思います。
一方、家族法については大きな改正の動きは見られないようにも思えますが、実は既に平成8年に法制審議会から家族法に関する民法改正要綱が発表されているのです。
この要綱は、婚姻適齢・選択的夫婦別姓・裁判離婚原因・嫡出でない子の相続分などの問題について改正を求める内容となっており、結局この改正は見送られたものの、2009年私法学会シンポジウムにおいて、学者の私的な研究会である「民法改正委員会家族法作業部会」から平成8年要綱とほぼ同様の改正項目の発表がありました。
また、昨今では、「民法の一部を改正する法律」(平成23年法律第61号)において、親権喪失や親権停止、未成年後見制度の改正など、子供の利益に配慮した法改正が行われています。
戦後60年を経て、社会経済の劇的な発展、個人の価値観の変化、家族観の多様化が進みました。家族法は、もはや小幅な改正に留まらず、家族を構成する中心部分である夫婦や親子などに言及する大幅改正が求められているものと考えます。
全青司民法改正対策委員会では、上記の問題意識から家族法についての研究を進めています。既出の改正要綱や学説に縛られず、司法書士実務の視点から自由な議論を行っています。途上ではありますが、その研究成果を全国研修会でご報告したいと思います。
<第2部 グループディスカッション>
第1部の報告を下敷きに、グループディスカッションを行って皆さんと一緒に考えていきたいと思います。具体的には「親子関係」と「婚姻(パートナー)関係」の2グループに分け、前者のグループでは「親権は必要か」というテーマで離婚や養子縁組等を絡めながら子にとっての親権について議論をし、後者のグループでは、結婚の本質的意味を探りながら、婚姻外のパートナー(同姓パートナーも含む)の権利をどこまで認めることができるのかを議論したいと思います。
家族法は法技術的な面だけでなく、個人の価値観が非常に重要なウエイトを占める分野です。ぜひ、家族法についてみんなで考え、意見をぶつけ合い、全青司から社会に向けて家族法改正の議論を興していきましょう!
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第11分科会
暴力団排除条例の概略
担当:全国青年司法書士協議会 登記・法務研究委員会 商業法人部会
開催趣旨・研修内容
平成22年4月1日、福岡県において全国初となる暴力団排除条例が施行されました。その後、各都道府県において、同条例の整備・施行が進み、平成23年10月1日に東京都と沖縄県において同条例が施行され、すべての都道府県で同条例が施行されるに至りました。
しかし、平成23年度の警察白書では、暴力団は企業活動を偽装するなどして、一般社会に溶け込み、その資金獲得活動を活発化させており、依然として社会にとっての大きな脅威であると警鐘を鳴らしています。
ひょうご全国研修会開催時には、全国で暴力団排除条例が施行されてから約1年になります。条例施行後の対暴力団運動に関する動向を検証し、あらためて、暴力団排除条例の意義を考えてみたいと思います。
奇しくも、神戸は日本最大の指定暴力団である山口組の発祥の地であり、現在も総本部が存在しております。神戸の地でこうしたテーマの分科会を発信することに意味があると考えています。
一例として、東京都暴力団排除条例には、次のように同条例の基本理念と目的が規定されています。
(基本理念)
「暴力団排除活動は、暴力団が都民の生活及び都の区域内の事業活動に不当な影響を与える存在であるとの認識の下、暴力団と交際しないこと、暴力団を恐れないこと、暴力団に資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として、都、特別区及び市町村(以下「区市町村」という。)並びに都民等の連携及び協力により推進するものとする。」(第3条)
(目的)
「この条例は、東京都(以下「都」という。)における暴力団排除活動に関し、基本理念を定め、都及び都民等の責務を明らかにするとともに、暴力団排除活動を推進するための措置、暴力団排除活動に支障を及ぼすおそれのある行為に対する規制等を定め、もって都民の安全で平穏な生活を確保し、及び事業活動の健全な発展に寄与することを目的とする。」(第1条)
我々司法書士がこのような基本理念や目的に、どのように資することができるのでしょうか。
こうした検証を通して、司法書士による新しい会社支援の在り方を興しましょう。
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第12分科会
オンラインゲームに関する諸問題と実務的対応
担当:全国青年司法書士協議会 消費者問題対策委員会
開催趣旨・研修内容
わが国においては、1980年代初頭に「ファミリーコンピュータ」が大流行したことをきっかけに、家庭内でコンピュータゲームを楽しむことが浸透しました。
昨今、通信回線の高速大容量化、携帯端末の高機能化、データ通信料金の定額化の普及を背景に、パソコンなどの端末をインターネットにつなげて遊ぶゲームである「オンラインゲーム」の普及が著しい状況にあります。
オンラインゲームは、あらかじめ専用の機械とソフトを購入してゲームを行うファミリーコンピュータなどの従来のパッケージ型ゲーム機器とは異なり、専用の機械やソフトを買わなくても、インターネットにつなぐことのできる端末を持っていればゲームに参加できる手軽さがあるのに加え、ゲームにおいては、新たな敵が出現したり、陣地が拡大するなど、ゲームの運営主体によるサービスの提供が停止しない限り、次々とゲームの内容が更新され限りなく発展していくところに特徴があります。
このように、手軽で終わりのない楽しみを享受できるオンラインゲームは、若年層を中心に大きな支持を得ていますが、オンラインゲームをめぐるトラブル・被害事例も多発しています。
「無料とうたうオンラインゲームを利用したところ高額な請求を受けた」
「ゲームを有利に進めるために必要なアイテムを購入するのに多額のお金を使ってしまった」
「ゲームの運営業者から一方的に利用を停止された」
などといった相談が、2010年度においては、国民生活センターに2000件余り寄せられています。
また、ゲームに没頭するあまり、不登校となったり育児放棄をする例も報告されています。
諸外国においては、このような問題に対して法規制や行政等による矯正を施すなどの取組がなされていますが、わが国においては、現状の把握すらままならない状況です。
そこで、本分科会においては、オンラインゲームをめぐる問題点を検証し、実務法律家が上記の問題へ対処する方法の礎を興すことを開催趣旨及び研修内容としています。
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。
第13分科会
北方領土問題を通じて不動産登記を考える
担当:兵庫県青年司法書士会
開催趣旨
石原東京都知事が尖閣諸島の購入を東京都が行うという報道がなされて、尖閣諸島が私有地であることを知った方も多くいらっしゃるでしょう。では、北方領土はどうなっているのかご存知でしょうか?
北方領土には元島民など、民間人が所有する私有地も多くあります。
これらの不動産の登記は、「北方領土地域に所在する不動産の所有名義人の相続に関する暫定的取り扱い」により不動産の登記簿及び相続登記の事務を釧路地方法務局根室支局が所管しています。
では、北方領土の不動産への登記ができるのかというと、事実上我が国の統治権、行政権が及ばない地域であるのでできないとされています。
平成6年に提起された、「北方領土マスガタ訴訟」という訴訟があります。これは北方領土の土地に所有権登記名義人住所変更の登記を申請したが却下されたことに対して無効確認ないし取消を求めて、起こされた訴訟です。
この訴訟で争われた点は非常に示唆に富むものが多く、不動産登記の本質を考える大変よい機会を我々に提供してくれています。
本分科会では、「北方領土マスガタ訴訟」にかかわられた札幌会の岩井英典先生の話を中心に、ディスカッションなどを通じて不動産登記の本質とは何かという点を考えていきたいと思っています。
また、あわせて北方領土問題そのものを考える一つの契機にもなればと考えています。
研修内容
導入 根室から見た北方領土の現状や根室支局訪問のレポート報告
講演 「北方領土マスガタ訴訟」について
講師:岩井 英典先生 (札幌司法書士会)
ディスカッション
「北方領土マスガタ訴訟」から不動産登記の本質について考える
※分科会内容については予定ですので、若干の変更の可能性があることはご了解ください。
第14分科会
外国人相談超入門
担当:兵庫県青年司法書士会
開催趣旨
この度、全国研修会が開催される兵庫県は、古くは江戸末期より兵庫港(のち神戸港)を外国人に経済活動のため貸与する一定の地域(外国人居留地)と定め、貿易の拠点、西洋文化との交流の場として栄えてきました。
その後、現在に至るまで、旧居留地や中華街を中心に国際色豊かで多くの外国人に愛される都市として発展を続けています。
そのような国際都市「神戸」を擁する兵庫県から、年々多様化を続ける司法書士業務の中でも、相談者が外国籍の方の場合にフォーカスした研修を開催し、情報発信をいたします。
不動産登記や商業登記、訴訟代理など、これまで何度も行ってきた業務だとしても、相談者が外国籍の方というだけで必要書類が違っていたり、本国との制度の違いで手続きの説明が滞ったり、そもそも外国の法律が適用法となったりと、相談を受けたり事件を受任するにも幾分かのハードルの高さは否めません。
そうした実情に鑑み、外国人相談に当たっての基本的な情報、特有の手続き、または執務姿勢などを紹介することで、取り扱い分野を拡大して頂くと同時に、外国人の方々に、「相談できる窓口としての司法書士」を認知して頂くことを主眼としています。
現在、日本には210万人を超える外国人の方が在留しています。年齢や職業と同様に国籍も様々な外国人の方々が、いつ、どのような相談にこられても対応できるよう、まずは「『超』入門」からはじめてみませんか?
研修形式
第1部 外国人相談の基礎知識〜講義形式による論点共有!
第2部 各種業務の事例紹介〜寸劇形式で相談現場を理解!
※この内容は一部変更される可能性がありますので、ご了承ください。